2011年05月27日

学長からの「意見と要望」に対する回答

 昨日(0時を過ぎたので、もう一昨日になってしまった)、思いがけず、学長から「意見と要望」に対する回答が届いた。内容は下のリンクからご確認いただきたい。

kaitou.pdf

 導入の部分について、原文を書面で直接届けなかった非が荒木田にあるのは事実で、この点の落ち度は認めたい。とりまとめに手間取り、時間外になったため、直接窓口に伺うのはかえって失礼かと思ったのが原因だった。しかし、書面で届かなかったことが「回答書の体裁をなしていない」こととは関係がないように思うのだが…   以下、略。それが本題ではない。

 さて、肝心の内容であるが、「意見に対する回答」の意見聴取に関する部分では、根本的な誤解がある。まず、私たちが問題にしていたのは「数日決定を遅らせれば、教員会議での意見を反映させられたはずなのに、それをしなかった」ということであり、それは、「教員会議における授業再開への否定的な意見を意図的に排除するもの」という疑念を払拭できないということであった。この点については依然として言及がない。「教員の出勤状況」云々も言いがかりで、意見聴取をする気になれば方法はいくらでもあったはずである。また、各学類の危機対策室の意見を容れていたかのように説明しているのも事実に反する。少なくとも、行政政策学類の新旧学類長が苦労して作成し数回にわたって全学に提出された要望書は、事実上、握りつぶされた。それを否定するなら、ここにその文書群を証拠として挙げてもよい。3月末、4月に学内で授業再開についての懸念が強く示されていたことの証明にもなるからである。全学執行部は、学内にそのような懸念があることを、むしろ外部に知られたくなかったのではなかったか。行政政策学類の教員会議では授業再開に慎重な意見が多く示されたし、経済経営学類では授業再開に賛意を示す意見は皆無であったと聞く。結局、そのような意見を執行部が判断の際に考慮することはなかった。「史上最大の災害を克服していくために、福島大学としてできることを全て実施して、構成員が一体となり総力を挙げて対応する覚悟です」という学長メッセージ(3月25日)に明らかなように、全学一致で「福島大学の復興」をアピールしたいという姿勢だったからである。だからこそ、私たちは「公開質問状」を作成せざるをえなかったのである。学内にも多様な意見がある、と。事実を歪曲して正式な文書に残すことは看過できない。

 今後については、学生の参加も含めた「三者自治で」と明記しているので、この点について言うことはない。ただし、「外的条件や財政状態など総合的に判断」という一文を滑り込ませている点には注意が必要であろう(後述)。

 「要望に対する回答」について、重要だと思われるのは、4.で「大学としては、これまでも被ばく放射線量は少なければ少ない方が健康上良いという立場です。汚染状況の公表及び除染対応並びに健康管理の実施策を通じて、長期的には年間1mSv 以下になることが望ましいと考えております」と明確に述べていることだ。永幡さんが自身のHPで指摘するように、「長期的には」ということがどの程度のタイムスパンなのかという重大な問題はある。それでも、「年間1mSv以下」と目標値を明示したこととは、今後における大学の対応の指針になるはずで、大きな前進だと思われる。

 問題は、それをどのように具体化するかという点であるが、これについては、甚だ心許ない。モニタリングや長期的な健康管理は当然としても、とりわけ大切なのは「被曝量を減らす」ということである。どれだけ早く、いかにして被曝線量を減らすか。私の記憶では、5年ほど前の学長選挙の際に、現学長(当時は候補)は、大学の意思決定や実行が遅いということを問題視していた。そのわりには、今回の対応はどうだろうか。拙速であっては困る局面では迅速な対応をし、迅速に対応しなくてはならない局面でそうではないように思えてならない。
 キャンパスの除染は、財政的裏付けを得るまで待っている場合ではないと思う。フジテレビの今朝のニュースで、高木文部科学大臣は「私どもは平常の活動をして差し支えないと思っておりますので」と語っており、「安全は私たちの今の考え方によって大丈夫」という立場である。そのような状況下において、大学が動かない段階で財政的裏付けなど与えられるはずがない。
http://www.youtube.com/watch?v=jjHPszxxAQ4
(小山良太さんに教わったものだが、削除されるかもしれない)

 大学が危機意識をもって現状打開に立ち上がってはじめて、本省を動かすことができるのではないのか。現場が暢気な対応をしていて、大臣以下、文部科学省が福島大学のために態度を急に変えることなど、どうして期待できようか。この点について、学長以下執行部が、構成員の被曝線量減少のためにどういうリーダーシップをとっているのか、残念ながら、私にはまったく見えない。「お金がないから〜できない」というスタンスから「〜するためにお金を措置させる」というスタンスに変えない限り、事態は前進しないだろう。

 7.に書かれた部分は、前回の「回答」からはむしろ後退に思われる。ここで「安全上の理由から通学を望まない学生」への対応は「学類毎に個別に対応」とされているが、「学類毎に」という文言が書き加えられている。行政政策学類と経済経営学類では、単位互換提携校以外の大学で認められた単位も卒業単位として認定することに決まった。しかし、人間発達文化学類・共生システム理工学類の学生はその限りではない。前回の「回答」は、人間発達文化学類や共生システム理工学類の学生にも「個別に対応」するかのように読めたが、今回は「学類毎に」として、その道をふさいでしまったように見受けられる。

 「安全な場所への教室移動」も、「大学機能」という不思議な言葉を用いて否定している。大学生活が講義だけでないことはいうまでもない。そんなことはわかっている。私たちが問うているのは、何に優先順位をつけて事態に対応するのかということであり、つまるところ、大学が守ろうとしているのは何かということである。

 事務部門も含めた全体の「移動」ができないことを理由に「教室の移動」もできないというスタンスで対応するのか、たとえ、事務部門が移動できないとしても若い学生の健康を守るために「教室の移動」は可能だというスタンスで対応するのか、ということを問うているのである。しかも、大学全体を移動せよと主張しているわけではないし、希望しない学生まで「教室の移動」に付き合わせようと主張しているのでもない。そういうオプションも準備することを認めてほしいと言っているのである。だから私たちは再三「多様性」を強調しているわけである。



おまけ:今日は毎日新聞のもの
http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/news/20110525k0000m040135000c.html
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110525ddm003040061000c.html
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110516dde012040013000c.html
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110523ddm013040002000c.html

「行方不明」の学長メッセージは、ここにある
http://www.fukushima-u.ac.jp/kinkyu/gakutyou-message.html
posted by あるじ at 00:51| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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